君の肩越しに見えた景色【短編】






「………どうして………?どうして…こんな事するのよ………?離してよ!!」




力一杯、雄二から離れようとした。




けど雄二は離してくれない。


それどころか…


「離さないって言ってるだろう…」




「どうしてよ…アンタ…好きな女ができたんでしょう…」


「そうだよ…好きな女ができた」




「なら、アタシは必要ないじゃん。

アンタにとって、アタシは必要ないじゃん!!


ただ、アタシが可哀想だったから、優しくしただけでしょう!?



ただ…アタシが惨めに見えたから…放っておけなかっただけでしょう!?






アタシなんて、別にどうなってもいいんだから






離してよ!!





なんで抱きしめるのよ!?」






やめてよ!!


中途半端な優しさなんて



アタシには必要ない!!







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