君の肩越しに見えた景色【短編】


「愛子が…他の子とばかり遊ぶようになったから…俺の事をまるで忘れちまったように…」




「雄二…?」




雄二の瞳から…涙が滲んでいた…


「だから、俺…悔しくて…愛子の悪口、言うようになった…」


「雄二…」




「俺のせいなんだ…愛子が虐められるようになったの…



けど…言えなくてさ…


愛子が、みんなから虐められるようになって…無視されて…仲間外れにされるようになっても、俺…何も言えなかった…」




「……………」






「愛子が…ドンドン心を閉ざしていくのが分かった…愛子が…笑わなくなって…いつも…下ばかり向いて



時々…空ばかり眺めて…あのまま…どこかに消えてしまうんじゃないかって…何度も思った…」








< 32 / 40 >

この作品をシェア

pagetop