君の肩越しに見えた景色【短編】
「愛子が…他の子とばかり遊ぶようになったから…俺の事をまるで忘れちまったように…」
「雄二…?」
雄二の瞳から…涙が滲んでいた…
「だから、俺…悔しくて…愛子の悪口、言うようになった…」
「雄二…」
「俺のせいなんだ…愛子が虐められるようになったの…
けど…言えなくてさ…
愛子が、みんなから虐められるようになって…無視されて…仲間外れにされるようになっても、俺…何も言えなかった…」
「……………」
「愛子が…ドンドン心を閉ざしていくのが分かった…愛子が…笑わなくなって…いつも…下ばかり向いて
時々…空ばかり眺めて…あのまま…どこかに消えてしまうんじゃないかって…何度も思った…」