もしも願いがかなうなら。
角を曲がると、散々な状況の建物があって、それがあたしのいたコンビニだとすぐに分かった。


元の形が跡形もない出入口が、犠牲になった人が他にもいたんじゃないかと想像させる。



「……。みんな無事だよ。」

『多少、負傷した人もいるけどな。』そう続けながら、カイが言う。


「そうなんだ。」

そんな言葉しかあたしには返せなくて…。

『よかったな…』と思う反面、『なんであたしだけ?』
そう思う気持ちが入り混じった複雑な気持ちになった。

そんなあたしの前に……。


彼が現れたんだ……。


「達也……。」






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