もしも願いがかなうなら。

「あいつさ、お前が事故にあった日から毎日ああやってここに現れるんだよ。」



達也が?なんで?



「あの日、最後にお前にあったのって、アイツだろ?」



確かに、そう…



あの日、お互いに忙しくて、なかなか会えなかった達也と、久々に出かけたんだ。



「ずっと責めてんだよ…自分のこと。あの時、お前をここに残したまま帰ったこと。」



えっ?あの時、『いいよ、大丈夫。すぐそこだし』と、家まで送ると言った達也の言葉を遮ったのは、あたしなのに?




「あの時、ちゃんとここで待って、お前を家に送り届けてたら、お前は助かったんじゃないか?事故に会うことなんてなかったんじゃないか?ってさ…。」


目の前にいる達也は、憔悴しきった顔をしていて…。


「達也!!」


駆け寄って、達也の肩に触れようとするあたしをカイが阻む。


「やめとけっ。あいつには、お前の声は届かないし、触れることもできないから。」


「っ……。」


肩に触れようとした手は、達也の体に触れることなく、すり抜け、
呼んだ名前にも、反応しない…。


『そうじゃないんだよ、達也のせいなんかじゃない。』
そう伝えたいのに、達也には伝えられない…。


「これでわかっただろ?お前、もういないんだよ…ここには。」


「……。」


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