もしも願いがかなうなら。

言われて初めて、キョロキョロと辺りを見回してみる。

そこには全く知らない風景が広がっていて、こんな所に自分の足で来た記憶は、ない。



「……。」

訳が分からず、言葉もでないあたしを察してか、目の前の男が面倒くさそうな顔をしながら、口を開く。


「まず、お前は何処にいた?」

「……コンビニ?」

そう、確か、家の近くのコンビニにいた気がする。

「正解。そこで、何かなかったか?」

何か?

うーん、記憶をたどってみるけど、思いだせるのは、眩しい光とガラスが割れるような大きな効果音。

「えっと、ガラスが割れた?」

「…半分正解ってとこだな。正解は、『コンビニに車が突っ込んだ』だ。」


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