もしも願いがかなうなら。
「……。」
メニューも決まって、話すネタがなくて、また無言になるあたしに、達也は、
「ここのパスタ、うまいから。まずは食べてみて!」
と、またあの笑顔を浮かべて言う。
それから、料理が出来るまで、達也は楽しそうに、このお店の話をしてた。
あの時の達也は、今から考えると、普段以上に話してた。
たぶん、あたしのために、いっぱい話をしてくれてたんだね。
このお店に馴染めるように。
「は~い、お待たせいたしました~。」
運ばれてきたパスタは、とっても美味しくて、
「ワインは好き?飲む?」
と、言った達也に頷いたあたしは、その日、気持ちよくベロンベロンに酔っ払ったのだった。