もしも願いがかなうなら。
……車が突っ込んだ!?

言われて見れば、ガラスがわれる音がする前に車のエンジン音が聞こえた気がする。


「お前さ、もう一つ、忘れてることないか?」


もう一つ?


思い出そうとすればするほど、遠い遠い昔の出来事のような、途切れ途切れの記憶を辿る。


「あっ、女の子っっ!?」


「そう。お前さ、あの時、目の前にいた女の子、庇ったんだよ。」


思いだしたっっ!!

そう、あの時……

急に鳴った大きな音に、ビックリもしたんだけど、スッゴい危機感に襲われて、目の前にいた小さい女の子に覆い被さったんだっっ。

「お前さ、そんな『効果音』っていう認識レベルで、よくあの娘助けようと思ったよなー。実はビックリして、抱きついただけなんじゃねーの?」

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