もしも願いがかなうなら。
■すべてのはじまり(おわり)の場所。
こういう時って、空を飛んだり、壁をすり抜けたり、瞬間移動とか出来たりするもんだと思ってたのに……。
「なんで、徒歩なワケ?」
確かにいくら歩いても疲れない。
疲れないけどさっっ。
非現実的な事を想像してたあたしは、少し落胆する。
「お前さ、テレビ見すぎじゃね?」
クスリと笑ったアイツにちょっとムカついて、無言で睨みつける。
「そういえば、お前の質問に答えて無かったよな。オレは、カイ。野川真琴(ノガワマコト)、お前の最後を世話を命じられてきた。」
ハッキリとあたしの名前を告げるアイツは、あたしに会いにきたことは確実なんだろう…。
でも、最後の『世話』って?
あたしのその疑問を察したのかカイは、続ける。
「お前は、もう、ここにこのまま留まることはできない。最終的に行かなければならない場所がある。そこに導くのがオレの仕事。」