最後〔終わりの唄〕
第一章

プロローグ

ジャラ…

金属と金属が擦れる音でと体が縛られている感覚で目が覚めた。

だが何時までたってもクリアな視界が見えてこない。

聞こえるのは、ジャラジャラという金属音と布が擦れる音、そして自分の息だけだ。

そんな暗闇の中だんだんと不安になってきた。

「クックックックッ」

突然不気味な笑い声が響いた。

ジャラジャラと体を揺らしながらそいつに助けを求めた。

「た、助けて!誰か分からないけど助けてくれ!」

僕が必死に助けを求めているのに無視をし、不気味な笑いを零している。

「頼む!何でもするから…助けて」

「”何でもする”ねぇ」

僕が叫ぶように言うと不気味な笑い声はピタリと止まり、地を這うような声で言った。

「助けてやるよ…死んでからな」

ドスッ…

鳩尾に強い衝撃をがあった後、焼けるような激痛が走った。

そこを見ると深々とナイフが刺さっていた。

「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛」

「クックックックハッハッハッハッ」

刺さったナイフを勢いよく抜くと血が噴出した。

「ハッハッハッハッ……」

奴は笑いながら何回も刺し続けた。

最後の一指しを腹に残してまた地を這うような声で呟いた。

「The song of the introductory chpter started.
The revenge of the tragedy will stary from tonight.
 (序章の唄は始まった。今宵から悲劇の復讐が始まるであろう)」

            そこで僕の意識は途絶えた。

           遠くで奴の笑い声を聞きながら。
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