最後〔終わりの唄〕
「田……口」
「班長、竜を連れてきました。」
「田口!」
「おい!待て!」
俺は智仁の静止を無視して、田口の所に行こうとしたが、手を掴まれて行けなかった。
「離せ!田口!田口…!なんで…何でお前が死んでんだよ!なんで!」
掴まれた手を振り回しながら叫ぶと、智仁に後ろからはがいじめにされた。
「竜!!落ち着け!!」
智仁に怒鳴られて、正気に戻ったと同時に足の力が抜け、床に座り込んだ。
「どうしてだよ…答えろよ田口…」
俺が途方に暮れていると誰かが肩に手を置いた。
「お友達が死んで悲しいだろうが、話を聞かせてくれないか?」
肩に手を置いたのは智仁の上司、班長の寺井 茂 だった。
「何も話すことなんてねぇよ」
「昨日の午後7時ごろ、君、何処にいた?」