恋愛方程式
クールで限りなく冷めてるあたしは昔からレッテルを貼る。
今更素直で可愛い女の子になんかなれやしない。
「佳奈誰かと行くの?」
ギクッ
だから、陽平と行きたいんだよッ!
「えッ、別に?
要らないからって友達から貰っただけだけど?」
何て…嘘。
陽平と行きたいから自分で買ったチケット。
「陽平ッ…」
「陽平くーん!」
勇気を出して誘おうとしたあたしの言葉は、女の子の声で虚しくも掻き消された。