恋愛方程式



動揺かのような裏返った声が出た。



「おかしい」


えッ!?


「いつもなら、ノックしなさいよ!とか、勝手に入って来ないで!って」


「あ…」


「何?何かあった?」



パッチリとクルクルの大きな陽平の目があたしの顔を覗き込む。



「…何泣きそうな顔してんの?」


「ば、ばか!

そんなんぢゃない!!」


「ぢゃあ、何その涙」



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