Cherising!!〜Special〜

いつも郁は、このセットを持ってウチの窓辺に現れていた。

「…ありがとう」

紙袋を抱きしめる。

「どういたしまして」

じわっと。

郁の優しさが染みてきて、涙が出そうになった。

弱っている今のあたしの心には、効き過ぎる。

「楓?」

「…」

「大丈夫?」

うん、と頷くだけで精一杯のあたし。

「…何かあったのか?」

あたしは首を横に振る。


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