幸福方程式。
「平井くん、ありがとなっ。…お、すっげーいい音する、このマスカラ。」
「え…?」
俺はマラカスを楽しそうに振っている先生を見つめた。
「…ん?どうしたの、平井くん。」
「…っ、先生、俺ちょっと他のクラスに用事が…!」
くるりと先生に背を向けた俺は、その直後に思いっきり吹き出した。
「…っな…!何だよ!?」
訳が分からない、というように叫ぶ先生の方を振り返ると、俺は大声で言った。
「先生!…マスカラはあげてませんよ??」
「…!!」