幸福方程式。




「平井くん、ありがとなっ。…お、すっげーいい音する、このマスカラ。」



「え…?」



俺はマラカスを楽しそうに振っている先生を見つめた。



「…ん?どうしたの、平井くん。」



「…っ、先生、俺ちょっと他のクラスに用事が…!」



くるりと先生に背を向けた俺は、その直後に思いっきり吹き出した。



「…っな…!何だよ!?」



訳が分からない、というように叫ぶ先生の方を振り返ると、俺は大声で言った。



「先生!…マスカラはあげてませんよ??」




「…!!」




< 16 / 53 >

この作品をシェア

pagetop