幸福方程式。
試合終了を告げる笛の音が鳴り響いた。
「…」
それなのに誰も言葉を発しない。
そしてようやく、
「勝っ…た…」
俺がつぶやくと、
「…よっしゃぁぁっ!勝った勝った―っ!!」
「うわ―!」
敵も味方も関係なく、みんな片岡先生に走り寄った。
「すごいよ先生!」
「本当に入るとは思わなかった!」
「あんな遠くからねー。」
「ん?」
「先生っ、せんせー?」
「どうしたの?」
「悪い誰か助けてくれ……腰抜けた…。」
「えぇ!?」
一番驚いていたのは本人だった。