幸福方程式。
帰りのSTが終わって部活に行く途中、俺は廊下で片岡先生を見つけて駆け寄った。
「…おぅ平井!今から部活か?」
「はいっ!」
先生は窓から顔を出して外を眺めながら、
「あ――…幸せだなぁー…。」
突然つぶやいた。
「いいな先生は。俺も幸せになりたいなぁ。」
「そっか…平井は幸せじゃないんだ?」
「うん、何ていうか毎日不幸ばっかりで。」
「平井も…いつか『幸せだー!』って思いっきり言えるようになると思うよ。もう少し先のことかもしれないけどさ。」
「本当に?」
「あぁ、絶対な。俺が保証する。」
先生は腰に手を当ててにっこり笑った。