幸福方程式。
幸せ?
葬式が終わると、俺は逃げるように葬儀場を後にした。
自然と足が速まる。
「…痛(つ)っ!」
わずかな段差に足をとられて、俺は思わず膝をついた。
「…平井?」
「は…ハルト…っ!」
いつの間にか、ハルトがびっくりした表情で俺の顔を覗き込んでいた。
「…どうしたんだよ?」
「ハルト…」
気付くと俺は、俯いたままこれまでのことを全てハルトに話していた。