緑ノ刹那
『…で、話したい事って?』


バルドとの話を終え、執務室に入ってきたフィリアは、開口一番にそう言った。

リーフは少し切なくなる。

(何ていうか、僕って……)


そう思いながらも、めげずにリーフは切り返した。


『これからの事だよ』


『これから?』


フィリアが眉をひそめた。


『なにがあるっていうの?』


『色々あるよ!!

…まず契約についてだけど、結局契約っていうのは何なんだ?』


『だから、私を支配下に置いたってことよ。
貴方が死ぬ、又は貴方が契約破棄をしたら終了するわ』


『例えば、どんな事ができるの?』


フィリアは少し考えた。


『とりあえず、世界征服ぐらいならできるわよ?』


『………世界征服!?』


『したい?
したいなら今からでもするけど』


『いや、いい!!
絶対いいから!!

…じゃあ、フィリアは城で過ごすの?』


フィリアは首を傾げた。


『…何でも。
野宿でもいいし、また塔の中でも…』


『部屋を用意するよ!!』


フィリアの言葉を遮って、リーフは叫んだ。
野宿なんてとんでもない。


『…そう?
じゃあそうする。

……リーフ』
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