緑ノ刹那
今までとは違うフィリアの真剣な呼びかけに、リーフはフィリアを見た。


真剣な、けれど悲しい目をしている。









『………フィリア、でいいよ』










リーフは言葉に詰まった。

それは、どういった意味なのだろう。


好意?

親愛?

それとも―――


『無理しなくていいよ』


義務?





『無理はしてない。
私の事、"フィリア"って呼んで。
リーフには、そう呼ばれたいの。

私の、契約者なんだから』



ねぇ、君は気づいてる?

君の言葉で、一喜一憂する僕の気持ちに。



『…今はまだ慣れないから、フィリで勘弁してよ。

ちゃんと、呼ぶから』



何故だろう。

胸の奥が痛むんだ。
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