緑ノ刹那
終わりは始まり
次の日、フィリアは庭にいた。
ファイと戦った、場所。
そっと膝をついて、その大地に手をかざした。
その時ちょうど、フィリアの姿を見つけたリーフは、声をかけようとした体勢のまま、息を詰めた。
フィリアが手のひらをかざした地面から、何かの芽が生える。
フィリアが手を戻した後もその成長は止まらず、遂にそれは、見上げる程の大木となった。
リーフは、何故だかフィリアを見ていられなかった。
――否、見たくなかった。
あの木は、ファイの墓標だ。
フィリアが、ファイの為だけに作った。
そして今、その心もファイだけにあるのだろう。
そんなフィリアを、
リーフは見たくなかったのだ。