緑ノ刹那
フィリアが近づいて来る気配がして、リーフは焦った。

しかし考える暇もないまま、フィリアと対面する。


『………』


全く表情を変えないフィリア。
リーフはリーフで、どんな顔をしたらいいのかわからなかった。

しかし、意を決してフィリアに声をかける。


『フィリア、今日は本当に……』


リーフの言葉を、フィリアは手で遮った。


『その話は、執務室でしましょ。
私にも貴方にも、仕事が残っているし』


それだけ言うと、さっさと歩き出してしまう。

リーフは慌てて後を追った。
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