緑ノ刹那
自分に嘘をつかないで欲しい?

自分を信頼して欲しい?

――自分を、好きになって欲しい?


どれも、違う気がした。

そういう事は、命令したりして手に入れるものでは無いのだ。


それを求めた時こそ、今のリーフとフィリアの関係は破滅を迎えるだろう。





リーフが、今フィリアに求めるもの―――


『……僕は、駄目な奴だ』


何か言おうとするフィリアを制して、続ける。


『そして、今反省しても、また同じ様な事を繰り返すかもしれない。
――でも、傍にいて欲しい』


そう。

半年前、フィリアに自らの想いを告げた時も、そう思ったではないか。


例え、フィリアがリーフの想いに応えなくとも―――


『僕は、フィリアに隣にいてほしいんだ』


険しかったフィリアの表情が、柔らかくなった。
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