緑ノ刹那
城を出ると、とりあえず周りの木にトウサ国の人々が近くにいないかを尋ねて回った。


『………おかしいわね』


フィリアは眉をひそめた。
木々に聞いても、知らないという返事ばかり。

この辺りにはいないのか。
だが、さすがにそろそろ来ていなければおかしい時刻だ。



“緑王様、トウサの者達を見つけました“

やっと見つかったらしい。
フィリアは思わず顔を緩める。

しかし、それはすぐさま苦々しいものに変わった。
< 144 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop