緑ノ刹那
『ただいま』


『フィリア!!』


盗賊の討伐に向かったフィリアが帰ってきて、思わずリーフは満面の笑みで出迎えた。


『おかえり。
盗賊はどうだった?』


『楽勝だったわよ。
そっちこそ、シオン殿下にちゃんと挨拶できたの?』


問いに艶やかな笑みを浮かべて答えたフィリアの言葉に、リーフは顔をひきつらせた。


『………できたよ』


少し考え、フィリアにシオンの気持ちを伝えない事にした。


――なんだか、嫌だ。

正直な気持ちである。


しかしそれを勘違いしたのか、フィリアはリーフを胡乱な目で見つめた。


『……ちょっと、大丈夫なの?』
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