緑ノ刹那
家に着いた頃には、フィリアの息はすっかりあがっていた。

リーフとバルドが、今出てきたらしく、家の外に立っていた。
落ち着き無く辺りをキョロキョロと見回していたリーフが、こちらを見て顔を輝かせ、すぐに思い出した様に怒った顔をする。


そんな様に、何故だかひどく安心して、苦笑がもれた。



『フィリ!!
どこに行ってたのさ!
朝起きたら君がどこにもいなくてびっくりしたんだよ!?』


どうやら心配させてしまったらしい。

『ごめんなさい。
みんなにお別れをしてきたの』


するとリーフはハッとして、眉を寄せた。

『ごめん。
君にもいろいろあるのに。

…もういいの?』


『うん。
大丈夫だよ。
二人とも、もう行ける?
さっさと出発しちゃいましょ』


フィリアの言葉にバルドは頷き、森の東の方を指差した。

『あちらの方向に王都がある。
行こう』



三人は並んで歩き出した。
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