緑ノ刹那







それから、私は彼の血溜まりに手をついて、その場所に樹を創りだした。


亡骸も残らない、クレイへのせめてもの墓標。



そして私は彼の死を知らせる為に、重い身体を動かして城に向かった。


途中、一度だけ振り返った。


さようなら、愛しい貴方。


『どうか、安らかに……』

そっと目を閉じて。


その後は、もう振り返る事は無かった。








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