緑ノ刹那
『迎えに来たんだ、フィリア。
一緒に帰ろう……?』
『ねぇ、リーフ』
フィリアはリーフの言葉を半ば無視して、話し始める。
『この世界は、たくさんの命であふれてる。
貴方も、この樹も、土も、火も、みんな生きてる。
この世に命を持たないモノはいないわ。
―――私と、シキを除いて』
『……?
なにいってるんだ?
シキはともかく、フィリアは…』
フィリアは頭を振った。
『私は、¨生きて¨ない。
ただ擬似的に呼吸をして、血を流すだけ。
リーフ、私は生きていない。
―――だから、私はこの世の総てを、壊す事ができる。
神のように、シキのように……
貴方の、その蒼の瞳には、
こんな私が
どんな風に映っているの…?』