緑ノ刹那
リーフは言葉を失った。
自分の目に、フィリアはどう映っているのか。
……自分は、フィリアをどう思っているのか。
リーフの脳裏に、様々な光景がよぎる。
初めて会った時の笑顔。
怒った顔、悩んだ表情。
そして、悲しみに抱かれ
涙を流す顔………
『フィリアは……。
フィリアは、俺の、緑の魔王だ。』
フィリアはそっと、同意するように目を伏せる。
『でも』
続いた言葉に
瞳が再度、リーフを射る。
『それだけじゃない。
フィリアは、普通に…
本当に普通に、泣いたり、怒ったり、そして笑ったりする、
ただの女の子だ。
少なくとも、俺にとっては。
だから、君に世界の破壊なんてさせない。
だって、俺は
フィリアだけの¨王¨になるんだから』
くっと、瞳が見開かれる。
フィリアの顔が、くしゃりと歪んで、しかし、笑顔が浮かんだ。
『ならば』
フィリアが跪く。
リーフの手を、押し抱いて。
『私は、永久に貴方のもとに』
再度の服従を、誓った。