緑ノ刹那
森へ
フィリアの力で城へと戻った2人は、回復したらしいレイと、サヤに迎えられた。
「おかえり、二人とも」
「レイ……」
フィリアがレイに駆け寄る。
「体は大丈夫なの?
ごめんなさい、私が……」
「フィリア」
レイは悲しそうに俯いたフィリアの頬にそっと手を添えて、上を向かせた。
「気にしないで欲しいんだ。
あれは、俺が勝手にやったことだから。
ほら、笑って?」
フ、と泣き笑いのような顔をして、フィリアはレイを抱きしめた。
ありがとう、と、小さく呟く。
レイはしっかりとフィリアを抱きしめ返して、どういたしまして、と同じく呟いた。