緑ノ刹那
「フィリア」
ごほん、とわざとらしく咳払いをして、リーフは2人を引き剥がした。
その動作にサヤは目を見張り、レイは不満げに唇をとがらせ、フィリアは軽く小首を傾げる。
「なに、リーフ?」
「俺達は早く地震の原因を見つけなきゃいけないんだから、いこう」
「ちょ、リーフ!?」
フィリアの返事も聞かず、
リーフはぐいぐいと
彼女の手を掴み引っ張っていく。
それを黙って見送ったレイは、横目でサヤを見た。
「サヤ、なんか言ったの?
今まであんなこと、アイツしなかったよね?」
「ふん。
あのままではつまらんだろう。
良いじゃないか。
やっと王らしくなってきた」
「前から思ってたけど、
アレ別に“王らしい”とかじゃないよ?
相変わらず君の感覚ズレ過ぎだよ」
「………?
そうか?
そんな事ないだろう」
そんな会話をしながら、
サヤは首を傾げつつ、
レイは溜息を吐きつつ
フィリア達の後を追ったのだった。