緑ノ刹那
そんな様子を、リーフは面白く無さそうに見ていたが、バルドに肘で小突かれてなんとか笑顔をつくる。


一方フィリアはというと、少年から大人しく謝罪の言葉を聞きながら、少年を観察していた。

黒い髪に、青い瞳。

しかし、同じ青といっても、リーフとは全く色彩が異なった。


例えるなら、リーフの瞳は春の青空の様な水色。
少年の瞳は深い深い海の底の様な深みのある群青色。


そうこうしているうちに、少年が名乗った。

『僕はディーンと言います。
さっきはすいませんでした。
余所見をしていたらぶつかってしまって』


『そんな、いいのよ。
私も立ち止まっていたから、悪いのはお互い様だわ。
私はフィリ。
よろしくね、ディーン』


そう言って笑うフィリアに、目を奪われるディーン。


そんな二人の間を裂く様に、リーフが割り込んだ。
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