緑ノ刹那
扉を開けると、チリン、という鈴の音が鳴り、奥から老婆が顔を出した。

最初はさも面倒そうにしかめっ面をしていたが、リーフを見ると笑顔になった。


『おぉ、リーフ様じゃないですか。
バルドもいるということは、家出はおしまいですか?』


『ほっといてくれよヨナ。
それより部屋は空いてる?
4人いるんだけど』


『もちろん。
2つ部屋がありますので、1つは男、もう1つはそこの女の子が使いなされ。
夕食も用意してありますよ』


その言葉に驚いたフィリアは、
『どうして今日来るってわかったの?』

と聞いたが、ヨナはにんまり笑って、
『そんな気がしたんですよ』

と言うだけだった。
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