緑ノ刹那
城の豪奢で長い廊下を歩きながら、ディーンがリーフに話しかけてきた。


『…リーフって王子様だったの?』


『……』


数秒の間の後、


『言って無かったっけ?』


白々しい答えが返った。
ようは面倒だったのである。


『初めて聞いたよ…
じゃあフィリとバルドも偉い人?』


その言葉にフィリアは首を振った。


『私は違うわ。
でもバルドは、…えぇっと、王立騎士団長…?だっけ』


『そうだ。
王族の警護を任されている』


『へぇ…』


リーフが立ち止まった。
気がつくと目の前には真紅の巨大な扉があった。

『ここが国王の間だよ。
フィリ、"例の事"、よろしく』


『うん。
任せて!!』


そして、4人はくぐる事になる。
運命の、扉を。
< 31 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop