緑ノ刹那
召使いに飲み物を用意させると、外にだす。
部屋には王とリーフの二人だけしかいなくなった。
『話というのは、彼女についてだ。
リーフ、これから聞く事には正直に答えなさい』
リーフは眉をよせた。
『一体どういう事なんだよ?』
『いいから答えるんだ。
――まず、彼女とは"緑の森"で会ったのか?』
『そうだよ。
さっき話したとおり、助けてもらったんだ』
『では、お前は森に入れたのだな?』
『…そうだけど。
フィリも言ってたけど、森には王族の、それも直系しか入れないって本当なの?』
王は目を見開いた。
『彼女はそんな事までお前に話したのか!!
――では、記憶はあるのか!?』
(記憶だって!?)
王はそこまでつかんでいるのか。
頭を巡らせる。
王家、フィリア。
この二つに何の関係があるのだろうか。
『どうなんだ、リーフ』
王の言葉に、リーフは我に返った。
とりあえず今は本当の事を言っておいた方がいいだろう。
そう判断して、首を振った。
『いや。
フィリには記憶が無いよ』
『――最後の質問だ…。
彼女の名前は、本当に、"フィリア"と云うのか?』
『うん。
でも、フィリと呼んでくれって言うんだ。
昔、誰かと約束したらしいんだ。
その人は、フィリの事をフィリアって呼んでたんだろうな…』
『そうか…』
王は深くため息をついた。
目をつぶる。
しばらくそのままでいると、いきなり目を見開いた。
そして、今日の空模様を話すかの様に、唐突に、軽く、
『リーフ、三日後にお前の戴冠式をやるからな。
彼女にも出席してもらえ。
勿論、バルドとディーンにもな』
と言った。
『あぁ、はいはい。
…って、はぁっ!?』
あまりの軽さに、リーフはとっさに状況が掴めなかった。
部屋には王とリーフの二人だけしかいなくなった。
『話というのは、彼女についてだ。
リーフ、これから聞く事には正直に答えなさい』
リーフは眉をよせた。
『一体どういう事なんだよ?』
『いいから答えるんだ。
――まず、彼女とは"緑の森"で会ったのか?』
『そうだよ。
さっき話したとおり、助けてもらったんだ』
『では、お前は森に入れたのだな?』
『…そうだけど。
フィリも言ってたけど、森には王族の、それも直系しか入れないって本当なの?』
王は目を見開いた。
『彼女はそんな事までお前に話したのか!!
――では、記憶はあるのか!?』
(記憶だって!?)
王はそこまでつかんでいるのか。
頭を巡らせる。
王家、フィリア。
この二つに何の関係があるのだろうか。
『どうなんだ、リーフ』
王の言葉に、リーフは我に返った。
とりあえず今は本当の事を言っておいた方がいいだろう。
そう判断して、首を振った。
『いや。
フィリには記憶が無いよ』
『――最後の質問だ…。
彼女の名前は、本当に、"フィリア"と云うのか?』
『うん。
でも、フィリと呼んでくれって言うんだ。
昔、誰かと約束したらしいんだ。
その人は、フィリの事をフィリアって呼んでたんだろうな…』
『そうか…』
王は深くため息をついた。
目をつぶる。
しばらくそのままでいると、いきなり目を見開いた。
そして、今日の空模様を話すかの様に、唐突に、軽く、
『リーフ、三日後にお前の戴冠式をやるからな。
彼女にも出席してもらえ。
勿論、バルドとディーンにもな』
と言った。
『あぁ、はいはい。
…って、はぁっ!?』
あまりの軽さに、リーフはとっさに状況が掴めなかった。