緑ノ刹那
そう、リーフが感じた違和感、それはフィリアが剣は"あまり"得意では無い、と言った事。


(それってつまり…)


『フィリ、お前は剣が使えるのか?』


バルドがリーフの言いたかった事を代弁した。


『そうだけど…
それって普通じゃないの?』


みんなの反応に逆にフィリアが驚いた様だった。


『…普通はつかえないよ』


『えっ、そうなの?』


『――フィリ。
こいつと勝負してみないか?』


フィリアとリーフが話している横で、一人考え込んでいたバルドが不意に声をあげた。


『へ?』


フィリアとリーフ、二人同時に振り返って変な声をだす。

バルドが指差した先にいたのは、騎士団の中でも五本の指に入るような実力者だった。


『……別にいいよ?』


『えっ!?』


『じゃあ邪魔が入る前にさっさと始めるか。
おーい、ルード!!
ちょっと来てくれ!!』


リーフがオロオロしている間に話はどんどん進んでいき、結局勝負が始まる直前にまでいってしまった。
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