緑ノ刹那
『――契約っていうのは何なんだ?』


『契約とは、私を配下におくこと。
その男、ディーンはそのためにフィリアに近づいた。


私には植物を操る力がある。
それを求めての事だろう?』


そう言って、ディーンを横目で見た。


『――少し違うな。
フィリア、僕の事をまだ思い出さないのか?』



そう言って寂しげに笑うディーンを見て、フィリアは少したじろいだ。


『――お前は、ファイの……』


『思い出してくれたかい?』



二人の会話を聴いていて、リーフは段々話がわかってきた。


(要はフィリが実は数千年も生きてる女神で、ディーンがファイっていうヤツの生まれ変わりって事か)



因みに、ファイは初代国王の戴冠を執り行った賢者の名前だ。


それでいえば。


(二人は数千年前からの知り合い――!?)
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