緑ノ刹那
『フィリ、リーフ!!
無事だったのか!?』


塔から出ると、バルドが真っ先に駆け寄ってきた。


そして、リーフ、フィリアと視線を横にながし――
フィリアの横に平然と並ぶディーンを見て目を剥く。



『お前…ディーン!!』


『やっ!!元気かい?』


『貴様!!』


『ちょ…ストップ!!
バルド、ちょっと待ってくれ。
後でちゃんと説明するから!!』


リーフは一苦労だった。

バルドを止めた後、集まっていた人々を帰らせる。


みんながぞろぞろと列になって帰っていく中から、フィリアはリーフの父――前王を自分の方へ引き寄せた。



『ちょっと話がある』


『おいフィリ…』


近づこうとしたバルドを制して、リーフも父を見た。


『僕も後で話がありますから。
それと、ディーンにも』


ディーンを睨む。


『じゃあ、夜に大広間に集合しましょう』


フィリアがそう言って、その場は皆解散した。
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