緑ノ刹那
『えっ』


フィリアは本当に不思議そうな顔をしている。
悪気があるようにも見えないし、"関係者"のようにも見えなかった。


『何で…嘘をついてるってわかったんだ?』

渋々リーフは認めた。
その様子に苦笑して、フィリアはあの大きな木を見上げた。


『木が言っているから。
リーフが、嘘ついてるって』

『は?』
予想もしなかったフィリアの言葉に、ポカンと呟くリーフ。
それを見たフィリアは当然の事の様に続けた。

『嘘をつくなら、ちゃんと口止めしないと駄目よ』


『…えーっと、フィリは木の声が聞こえるの?』

『?…当たり前でしょ?』
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