緑ノ刹那
『―――』


リーフは絶句した。
では、彼女は最初から最後までずっと独りで、人間が絶滅した後も生きつづけるのか。


『……それは、辛くはないのか?』


『ツライ?
そんな感情、もう覚えてないわ』


フィリアの微笑みにあるのは、仕方がないという諦め。


『私はずっと人間なんかと関わる気なんて無かった。
勝手に生まれて、勝手に死んで。
ただ生きるだけで多くのモノを殺していく。
――なんて、身勝手なんでしょう』


『……じゃあ、何で君はクレイと此の国を建てたの?』


フィリアは、心底驚いた顔をした。

まるで、今まで気づいていなかった事実に、気づかされたかの様に。
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