緑ノ刹那
『…本気?』


『本気だよ』


にっこり笑ったディーンに、思わずつかみかかりそうになる。


『私に……仲間をまた、殺せっていうの………?』


『違うよ』


『なら…っ』


『勝つのは、君じゃない。
僕だよ、フィリア。

君は殺しても死なない。
肉体の再生には時間がかかるかもしれないけど、僕は待っててあげるよ』



――狂ってる。


ディーンの笑みは、まさしく狂気のそれだった。


フィリアは目を閉じた。


『……それが、貴方の望みなら』






かくして、二人の殺し合いは幕を開ける。
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