涙の跡に
バイク
「愛梨遅いしー!」
「ごめん!!てか、今日どこ行きます??」
「渋谷で溜まろうぜ。最近あの辺に調子こいた奴らいるらしいから潰しにいこう」
「よっしゃ乗った。」
これがいつもの
私達の会話。
天守宮第2中、二年の
川野愛梨。
私はいつもこう。
誰かを潰したり
虐めたりすることでしか
寂しさを紛らわすことが出来なかった。
「お前ら調子こいてんじゃねーよ!ここらうちらの場所っつーことぐらい知ってんだろーがよぉ。ぁあ??」
「は?意味わかんねーし プハハハハ」
・・・私が
私じゃなくなっていくのがいつも分かっていた。
「でめーら...やんのかコラ?!」
いつもそれが
怖かった。
「二度とうちらの前に現れんな―。」
私は喧嘩だけは強かった。今までに誰一人として負けたことはない。
けどそれは逆に
私をどんどん孤独に突き落としていったんだ―。