私を箱から出して下さい!!
「あ、心配しないで。何もしないよ。一年生?ちょっと見せて。」
長い指が名札を摘む。
そんなことにもドキッとした。
前髪が目にかかって…やっぱり素敵な人…。
不良なんかじゃないじゃん。
優しいし。
「ここからは教室遠いね…。連れてってあげるよ。」
しかも親切っ。
ギュ…
「え…?」
自然と繋がれた手。
「君、なんか天然そうだから。迷子にならないように。」
初めてだった。家と何にも関係のない人と話したり、手を繋ぐの。
ドキッ…ドキドキ…
あれっ?心臓がおかしい。