ラストキス 〜運命と言う名の下で〜
「帰って来てたんだ…」

兄は転勤で今は一緒に住んでいなかった。

家族が全員揃うのは一年ぶりぐらいだ。

ふと僕は自分の仏壇に目をやった。

親父があぐらをかいて座っている。

一升瓶を片手に僕の遺影を見つめていた。

居間では、ドンチャン騒ぎだった。

その騒ぎの中に母親の姿が見えた。
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