ユメクイ蟻
ぼぉっとしながら
夕暮れの道を帰っていた。
あの絵みたいな
まん丸な夕日が目に痛い。
「ケイさんあの絵
持っててくれてるかな・・・?」
「捨ててたりして」
会えないんじゃ
確かめようがないよ。
アパートの階段下の
ポストをため息混じりに
あけると
真っ白な封筒が入っていた。
「?なんだコレ」
差出人のところに一文字
” K ”
とだけ書いてあった。
消印は2日前。
ケイさんだとすぐにわかった。
「ケイさんだ・・・・」
思わずその場で封を切ってしまった。
あたしの手が震える。