ユメクイ蟻
「そんな!あたし
絵なんて素人なんです」
「プロなどないですよ。ホホ」
「だって、そんな・・・
1年も先の事ですよ?」
「私はあなたの絵が
とても好きなのです。
あんな色は見たことがない」
あ、ケイさんと同じ事・・・
思えばこの優しさは
ケイさんとどこか
似てる気がする。
「いかがですか?」
「本当にいいんですか・・」
「ホホホ」
あたしは館長さんと約束をした。
卒業したらこの美術館で
働かせてもらうことにした。
ここにいたらケイさんに
会えるかもしれないし・・・
という下心も少しだけ
あったけど。