ユメクイ蟻
アパートに戻ると
ケイさんは少し電話をしてくると
外に出て行った。
あたしは実家から持ってきた
スケッチブックを探した。
「絵の具はあとでいいかな」
鉛筆で描かなきゃ。
あったかな?
今の時代、鉛筆1本も
見つけるのが困難だ。
スケッチブックを置く
イーゼルも持ってない。
でもちゃっかりマルマン製の
スケッチブックなんて
実際絵が描きたかったんだなぁ
さっきの夕日。
寂しそうなケイさん。
大きな背中。
夢みたいな1日。
あたしは一生忘れない。
忘れない為に描こう。