ユメクイ蟻
それからケイさんは
昼間着てたスーツを
大事そうにハンガーにかけながら
『明日は学校なんですよね?』
『早く寝ないといけませんよ』
といって隣の部屋に行こうとしていた。
「あ、隣の部屋、お布団は・・・」
『大丈夫です。僕は魔法使いですよ』
そうですよね。
あなたは特別なんでした。
「うん。じゃ、おやすみなさい」
『はい、おやすみ』
あたしが、ケイさんのすべてを
理解するのは当分無理かも。
ケイさんはすごく優しい。
かっこいいし、
今までの人と違って・・・
でも、根本的に違うんだ。
ケイさんは仕事で一緒にいるんだ。
期待したら別れがつらくなる。
「好きになりそうだよ・・・」