ユメクイ蟻


やっぱり男の人は重い・・





ケイさんを抱えて部屋に
移してあげようと思ったけど
無茶して何かあったらマズイので

あたしのベットにそのまま
寝かせてあげることにした。





ネクタイくらいは外してあげよう。



そういえばジェイさんも
同じ青のネクタイだったな
決まりか何かかな?



何とかネクタイをはずして

メガネもはずしてあげた。






さっきまでのケイさんのうなり声は
かすかな寝息に変わっていて

まるで子供の寝顔だった。



「・・・キレイな顔」





しばらく目が離せなかった。



「あたしはケイさんの
何も知らないのに・・・」








その時もう、好きになってしまった
自分に気づいていなかった。




ううん。気づいていたのに
気づかないふりをしたの。









< 77 / 121 >

この作品をシェア

pagetop