ユメクイ蟻
やっぱり男の人は重い・・
ケイさんを抱えて部屋に
移してあげようと思ったけど
無茶して何かあったらマズイので
あたしのベットにそのまま
寝かせてあげることにした。
ネクタイくらいは外してあげよう。
そういえばジェイさんも
同じ青のネクタイだったな
決まりか何かかな?
何とかネクタイをはずして
メガネもはずしてあげた。
さっきまでのケイさんのうなり声は
かすかな寝息に変わっていて
まるで子供の寝顔だった。
「・・・キレイな顔」
しばらく目が離せなかった。
「あたしはケイさんの
何も知らないのに・・・」
その時もう、好きになってしまった
自分に気づいていなかった。
ううん。気づいていたのに
気づかないふりをしたの。