ユメクイ蟻
Ⅴケイと桃の夢
魔法使いがいなくなって
3日が経とうとしていた。
ケイさんがいたはずの部屋は
すっかり元通りになっていた。
あたしのもの置き場。
ケイさんがココにいたという
証拠はなにもなくて、
誰かに聞いてほしいほどつらくても
この思い出を信じてもらえる
自信がなかった。
あの人のタバコの匂い
あの人のやさしい手も
何にも残ってないんだね。
ケイさんがくれたプレゼント達は
アタシの元に変わらずあったので
それだけは救いだった。
あたしは心がすっからかんに
なってしまっていた。
穴だらけで、
唯に何を言われても
「また、上の空」と
怒られる有様だった。
正直、さびしい・・・