君の面影
出逢い
桜がヒラヒラと散る中、私、神崎奈々(カンザキ ナナ)は高校二年へとになった。
まだ去年の今頃は真新しい制服を身に纏い、
まだ日が過ぎていない一年生のようだった。
私はそこまで目立つ生徒でなければ、静かすぎる性格でもない。
でも、私は『恋』が出来ない。怖いんだ。
中学三年の夏、一番大好きだった彼に一番信頼していた友達に裏切られた。
裏切りは、音もたてず静かに長い年月の末に作った友情と想いを壊していった。
それ以来、深く友達に関わろうともせず男子とも深い関係にはならないようにしていた。
だが、それはあまりにも突然だった。これが、私とレンとの出逢いでもあった。
私が下駄箱を開けいつも通りに教室へ向かおうとしたら、腕を掴まれ死角の方向へ引っ張られた。
「一目惚れなんです!俺と付き合って下さい」
いきなりの告白。困る以外に何がある。私は恋愛なんて、もう真っ平御免だ。
だから私は思い切って断った。
「私は貴方のことなにも知らないし、貴方も私のこと知らないでしょ?でも、嬉しかったよ」
目の前にいる男の子は肩をすくめ、こう言った。
「先輩は覚えていないかもしれませんが、去年の冬に一度お会いしたことがあるんです。」
去年の――……冬?
まだ去年の今頃は真新しい制服を身に纏い、
まだ日が過ぎていない一年生のようだった。
私はそこまで目立つ生徒でなければ、静かすぎる性格でもない。
でも、私は『恋』が出来ない。怖いんだ。
中学三年の夏、一番大好きだった彼に一番信頼していた友達に裏切られた。
裏切りは、音もたてず静かに長い年月の末に作った友情と想いを壊していった。
それ以来、深く友達に関わろうともせず男子とも深い関係にはならないようにしていた。
だが、それはあまりにも突然だった。これが、私とレンとの出逢いでもあった。
私が下駄箱を開けいつも通りに教室へ向かおうとしたら、腕を掴まれ死角の方向へ引っ張られた。
「一目惚れなんです!俺と付き合って下さい」
いきなりの告白。困る以外に何がある。私は恋愛なんて、もう真っ平御免だ。
だから私は思い切って断った。
「私は貴方のことなにも知らないし、貴方も私のこと知らないでしょ?でも、嬉しかったよ」
目の前にいる男の子は肩をすくめ、こう言った。
「先輩は覚えていないかもしれませんが、去年の冬に一度お会いしたことがあるんです。」
去年の――……冬?